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2013.08.15 18:15|カテゴリ:Security

「ガジェット通信」の記事におけるドメインの説明がでたらめすぎる件


※徳丸浩氏が「city.machida.kanagawa.jp」に関するエントリを公開されたので、エントリ内に追記しました。


 掲題の通りなのだが、でたらめな解説を人気サイトが記事にしていると、中には信用してしまう人もいるので本ブログで間違いについて言及したい。


 件の記事はこちら。

町田市を神奈川県だと主張する “個人のサイト” からドメインについて考える ? ガジェット通信
co.jp、ne.jp、or.jp、ac.jpなどは書類の審査などで国が一応の保証をしています。



 なお、同記事の最終確認は「2013年8月15日17時35分」時点で行ったがその時点でまだ間違ったままだ。今後、更新されるかもしれないので、本記事内容がわかるよう魚拓のリンクも掲載しておく。


 そもそも「ガジェット通信」の該当記事は以下のサイトが話題になったことを伝えるために書かれたようだ。


町田市は神奈川県固有の領土であることを主張するサイトです(準備中)

 関東の市区町村に詳しくないと意味がわからないかもしれないが、町田市は東京都にある。しかし、以下のように昔から「神奈川県町田市」などと揶揄されることが多かった。



町田市は神奈川県にグイッと食い込んでいる為、外部からは「神奈川県町田市」と言われ続けている「明治時代までは神奈川県だった(実話)」ばかりでなく、手紙のあて先に「神奈川県町田市」と書いても配達されることが確認されている(実話)。にも拘らず、強引に東京都に形式上編入されている。
町田市 - アンサイクロペディア



 話題となった理由は、町田市のサイトのように見えるサイト(http://www.city.machida.kanagawa.jp/)が、一見神奈川県の公式っぽく見えるドメイン(kanagawa.jp)配下にあり、しかも「町田市は神奈川県固有の領土であることを主張するサイトです(準備中)」などと書かれていたためだ。「町田市、ついに神奈川県に組み込まれたか?」とか「ハッキングされたのではないか?」などと一部で話題になっていた。もちろん、実態を理解してネタとして楽しんでいる方も少なくなかった。


 正しく理解するためには「city.machida.kanagawa.jp」というドメインがポイントとなる。しかし、記事を書いたガジェ通ウェブライターの「よたか」氏がそのことを説明しようとしたものの、当人自身のドメインに関する知識が間違っているため、記事内の説明がでたらめなものになっている。

 結果、記事を読んだ人がドメインに対して間違った理解をしてしまう可能性がある。「ガジェット通信」と当ブログではPV数はあまりにも違うが、少しでもそのような不幸な方を減らすため、以下に間違っている箇所を言及する。


 大きな間違いは2箇所ある。一つ目はこの記述。


co.jp、ne.jp、or.jp、ac.jpなどは書類の審査などで国が一応の保証をしています。
町田市を神奈川県だと主張する “個人のサイト” からドメインについて考える ? ガジェット通信



 「co.jp、ne.jp、or.jp、ac.jp」はそれぞれ「企業、ネットワークサービス、企業以外の法人組織、大学など高等教育機関」が取得可能な属性型ドメインだ。この属性型ドメインは登録希望者が指定事業者に申し込みを行い、指定事業者が登録者の依頼に基づきJPRSに登録申請する。指定事業者にせよ、JPRSにせよともに国の機関ではなくどちらも民間企業だ。


 「書類の審査などで国が一応の保証をしています」


 とあるが、!JP 属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名登録等に関する規則を見てもそのようなことはどこにも記されていない。

 「国が保証をしている」事実はない。


 2つ目。


ただし、ドメインは『国から借りている』物なので、正当な権利を有する者(この場合は町田市?)からクレームがつけば削除しなければならないかもしれません。 こんな話しは聞いた事ありませんけど、削除要請に応じなければドメインの返還もあるかもしれません。
町田市を神奈川県だと主張する “個人のサイト” からドメインについて考える ? ガジェット通信



 この記述は「machida.kanagawa.jp」に対するものだが、都道府県型JPドメインは「『国から借りている』物」ではない。作ったのはJPRSだし、申請して登録されれば有効期間中はその登録者のものだ。期限が来て更新しなければ登録者がいなくなるだけで、また別の誰かが登録することができる。全国47都道府県の名称を含むドメインだが国が管理しているわけではないのだ。


株式会社日本レジストリサービス(以下JPRS、本社:東京都千代田区、代表取締役社長 東田幸樹)は本日、地域に根ざした新たなドメイン名空間として「都道府県型JPドメイン名」を新設することを発表しました。
JPRSが、地域に根ざした新たなドメイン名空間「都道府県型JPドメイン名」の新設を決定 / 株式会社日本レジストリサービス(JPRS)




 ドメインに関する大きな間違いはこの2箇所だ。件の記事を読んで誤解をしないようにしていただきたい。


 とまあ、これだけでもかなりひどいが、実はもうひとつ第三者に対し誤解を与えかねない記述がある。


ドメイン情報は簡単に調べる事が可能です。 負荷が掛かりすぎても迷惑だろうから詳しくは書きませんけど、どうやらwebアプリ制作や、webセキュリティー関連の仕事を東京でしている会社の社長さんが取得されているようです。 感覚的には『空いてたから面白がって取得した』程度ではないでしょうか? 私はそれほど大意は無いように感じてます。
町田市を神奈川県だと主張する “個人のサイト” からドメインについて考える ? ガジェット通信




 誰のことを言っているのかは「whois」で登録者を調べるとわかる。

JPRS WHOIS /JPRS


 登録者は「徳丸浩氏」。氏はセキュリティ関連企業HASHコンサルティングの代表だ。安全なWebアプリケーションの作り方を解説した「徳丸本」の著者としても有名である。名前を検索するだけで、徳丸氏のこれまでのご活躍は簡単に知ることができる。




 さらに。徳丸氏が都道府県型JPドメインに対し、以下のような問題点を指摘していることもすぐにわかる。

都道府県型JPドメインがCookieに及ぼす影響の調査 | 徳丸浩の日記



セッションフィクセイション脆弱性の影響を受けやすいサイトとは | 徳丸浩の日記



 ドメインの登録年月日が2012/11/18なので、上記2つ目のエントリを書く1ヶ月前に取得していることがわかる。徳丸氏のこれらのブログエントリからも、『空いてたから面白がって取得した』わけではなく、明確な意図を持って取得されているのは明らかだ。


 だが、「ガジェット通信」の記事では徳丸氏を「どうやらwebアプリ制作や、webセキュリティー関連の仕事を東京でしている会社の社長さんが取得されているようです。」などと書いている。さらには、「感覚的には『空いてたから面白がって取得した』程度ではないでしょうか? 私はそれほど大意は無いように感じてます。」とも書いている。


 これでは、「どっかの暇な社長が面白がって今回のサイトを作った」と信じる人が出かねない。



 今回、話題にもなったように都道府県ドメインは一見都道府県の公式サイトであるかのように見えるが実は日本国内に住所を持つ個人・団体・組織は誰でも登録可能だ。


都道府県型JPドメイン名の登録資格は以下の通りです。

▼都道府県型JPドメイン名の登録資格(汎用JPドメイン名と同じです。)
 日本国内に常設の住所をもつこと ※日本国内に住所を持つ個人・団体・組織は誰でも登録可能
都道府県型JPドメイン名について | JPドメイン名について | JPRS



 それに加えて、徳丸氏の2つのブログエントリで記されているようにセキュリティ上の問題も抱えている。

 「machida.kanagawa.jp」は、「神奈川県町田市」という昔からよく言われるネタを背景に都道府県ドメインが持つ、「誤解のされやすさ」、「セキュリティ上の問題」等を検証するために登録されたものだと思われる。登録から9ヶ月も経ってからどなたかに発見されることとなったことから、もともと見つかるつもりで登録したわけではないだろう。少なくとも『空いてたから面白がって取得した』という子どもじみた理由だけではない。(まあ、徳丸氏は検証自体を楽しんでいるとは思いますが)



 つまり、「町田市は神奈川県固有の領土であることを主張するサイト」は一見ネタサイトに見えるが、実は都道府県ドメインの問題を浮き彫りにする検証用のサイトなのだ。

※2013/8/17 1:05追記
 徳丸浩氏のブログで以下のエントリが8月16日に公開されました。やはり、検証用に取得していたようですね。

MACHIDA.KANAGAWA.JPはなぜ「まぎらわしい」のか | 徳丸浩の日記
私は検証用にいくつかのドメイン名を登録していますが、そのうちの一つが「発掘」され、世間をお騒がせすることになってしまいました。

---追記ここまで---


 このことを理解せずにちょっとネットで話題になったからガジェ通ウェブライターの「よたか」氏は取り上げたのだろう。ネタとして楽しむだけならまだしも、中途半端な知識に基づいた間違った情報が多くの方が見るであろう「ガジェット通信」のような人気サイトに掲載されると、それを信じてしまう人が少なからず現れてしまう。これは問題だ。


 個人のブログレベルなら仕方ないだろう。「だって僕ちゃん、そんな人知らないもーん」で済ますことができる。


 しかし、「ガジェット通信」は以下のようにニュースサイトであることを自ら表明している。


「ネットの読むべきところに手が届く」 を目標に、賢く情報を活用する読者のための「ネット上の議論やネットカルチャー・デジタルガジェット情報・ライフスタイル提案・時事ニュース」等を提供するニュースサイトです。読者には一定以上のネットリテラシーや情報選択能力を持った賢明な層を想定してネタの選別をおこない編集しています。
町田市を神奈川県だと主張する “個人のサイト” からドメインについて考える ? ガジェット通信



 ニュースサイトを標榜するなら、その内容には正確性が必要なのではないだろうか?

 ドメインについてもインターネット上のニュースサイトを運営してるくらいなので常識として知っているだろうし、知らなくてもちょっと調べれば簡単にわかることだ。

 単にライターだけの問題ではない。今回のようにライターがよくわからずに書いているような場合には編集がチェックすべきだ。それともノーチェックなのだろうか?それはそれで問題だが、チェックしてあれだとするとネット系のニュースサイトとして大きな問題だ。


 「ガジェット通信」は、「読者に一定以上のネットリテラシーや情報選択能力を持った賢明な層を想定している」とのことだが、それが必要なのはライターおよび運営サイトの方ではないだろうか?


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拝啓、ガジェット通信 様。寄稿の件、謹んでお断りさせていただきます。 : I believe in technology
2013年2月1日、「ガジェット通信」という超有名サイトから寄稿の依頼というものをいただきました。


 

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