なぜ「Anonymous」は日本のWebサイトを攻撃しているのか?
今回はあまり文章がまとまっていません。自分でも何が言いたいのか、いまひとつはっきりしていません。
ですが、そのまま載せます。
2012年6月25日、「Anonymous」と呼ばれる集団が違法ダウンロードに刑罰を科す日本の改正著作権法に対する反対を表明し、日本政府および日本レコード協会への攻撃をほのめかす宣言を公表しました。
その後、実際に財務省や裁判所などのWebサイトが攻撃され、一時的に閲覧できなくなったり、不正に書き換えられたりしています。
いったいなぜ、「Anonymous」は日本の改正著作権法に対し反対しているのでしょう?
「Anonymous」をいわゆるハッカー集団(正確にはクラッカー)のような無法な集団だと考えていると、彼(彼女)らが、単に「違法ダウンロードを妨害する法律」に対し身勝手な攻撃をしているように見えることでしょう。しかし、実際には違います。
そもそも、「Anonymous」はハッカー集団ではありません。「Anonymous」はハクティビストと呼ばれる集団です。ハクティビストとは、独善的な正義をかざす社会的・政治的な主張を目的としてハッキング活動を行う者をさします。つまり、今回の行動の背景には、「Anonymous」なりの「正義」が動機となっています。
その正義とはなんでしょう?
「Anonymous」は、今回の攻撃を行う前に「#opJapan - Expect US」という宣言を行っています。これについて、ITmediaの記事がわかりやすく説明していたので引用します。
これを読むと、単に「違法ダウンロードを妨害する法律」に対し身勝手な攻撃をしているわけではないことがわかると思います。
著作権法改正案そのものに対し反対しているのではなく、その裏に潜む「基本的人権の侵害やイノベーションの阻害」に対し、反対しているのです。
今回の攻撃のきっかけになった「著作権法改正案」には「違法ダウンロード刑罰化」が含まれています。この改正案の成立に関しては、十分な審議がなされているとは言えず、しかも改正案の条文の書き方が曖昧でいかようにでも解釈できるようになっているなど、いろいろと問題があります。
このあたりの経緯に関しては、先日、ビーカイブさんに寄稿した下記記事に書きましたので、できればそちらをご覧いただきたいと思います。
ろくに審議もされずに決まった著作権法改正案 違法ダウンロード刑罰化の意味とは
上記寄稿記事にも書きましたが、改正案の条文が曖昧なことから、捜査機関が自由に裁量できるようになっています。その結果として一般的な日本のインターネット利用者は皆、犯罪捜査の対象になる危険性があります。しかも、捜査の段階では、正規にダウンロードしたものなのか違法にダウンロードしたものなのかがわからないことから、捜査機関はパソコンやスマートフォンなどをいつでも押収可能し、調査することができます。
「#opJapan - Expect US」の中で、『違法ダウンロードに刑事罰を導入する改正著作権法を成立させたことについて、「多数の無実の市民が不当な懲役刑を受け、かつ著作権侵害問題の解決にはほとんどつながらないことを確信している」』の部分は、まさにこのことを指しています。
彼(彼女)らが今回掲げた「正義」には個人的には賛同できる部分があります。だからといって今回の攻撃についてはまったく賛同できるものではありません。
でも、彼(彼女)らも本質的にはサイト攻撃に意味がないことはわかっています。
これらは、「Anonymous」が「#opJapan」用に用意した公式TwitterアカウントOpJapan Official (op_japan)を通じて、不慣れな日本語でツイートしたものです。ほとんどのツイートは英語ですが、時々、このような日本語のツイートが混じります。これらは明らかに日本人に向けたメッセージです。
攻撃が成功し、政府機関をはじめとした多くのサイトがダウンしたからといって、法律が変わることもありませんし、コンテンツ産業サイドの人間や政治家、政府が意見を変えるわけがありません。つまり、攻撃そのものは成功しても、なんら状況は変わりません。そんなことは、彼(彼女)らもわかっている……。
彼(彼女)らは、日本人に提起しています。
「現実の世界で、日本の人々は抗議するべきです! サイト攻撃ではなくデモで! チラシで! 座り込み抗議でも! 何もしないなら、何もが変わらない! 今すぐインターネットを保護しないと、すべてを失う!」
この言葉には少し心を揺さぶられます。
しかし、それでも。
何も行動に移せない。デモもチラシも座り込みも日本では効果がないことを知識として知っているから。何をやっても無駄だと思っているから。
何もできない。できるのはこうしてブログでまとまりのない記事を書くことくらい。
ヘタレすぎる。
ですが、そのまま載せます。
2012年6月25日、「Anonymous」と呼ばれる集団が違法ダウンロードに刑罰を科す日本の改正著作権法に対する反対を表明し、日本政府および日本レコード協会への攻撃をほのめかす宣言を公表しました。
その後、実際に財務省や裁判所などのWebサイトが攻撃され、一時的に閲覧できなくなったり、不正に書き換えられたりしています。
いったいなぜ、「Anonymous」は日本の改正著作権法に対し反対しているのでしょう?
「Anonymous」をいわゆるハッカー集団(正確にはクラッカー)のような無法な集団だと考えていると、彼(彼女)らが、単に「違法ダウンロードを妨害する法律」に対し身勝手な攻撃をしているように見えることでしょう。しかし、実際には違います。
そもそも、「Anonymous」はハッカー集団ではありません。「Anonymous」はハクティビストと呼ばれる集団です。ハクティビストとは、独善的な正義をかざす社会的・政治的な主張を目的としてハッキング活動を行う者をさします。つまり、今回の行動の背景には、「Anonymous」なりの「正義」が動機となっています。
その正義とはなんでしょう?
「Anonymous」は、今回の攻撃を行う前に「#opJapan - Expect US」という宣言を行っています。これについて、ITmediaの記事がわかりやすく説明していたので引用します。
Anonymousの宣言「#opJapan - Expect US」では、「コンテンツ産業や政治家、政府が海賊版や著作権侵害と戦うために厳格な法律を導入するという誤ったアプローチを導入しており、基本的人権の侵害やイノベーションの阻害につながっている」と主張。「歴史的に最も偉大なイノベーションの故郷である日本」が違法ダウンロードに刑事罰を導入する改正著作権法を成立させたことについて、「多数の無実の市民が不当な懲役刑を受け、かつ著作権侵害問題の解決にはほとんどつながらないことを確信している」と批判している。
Anonymousが日本政府とレコード協会に“宣戦布告” 違法ダウンロード刑事罰化に抗議 - ITmedia ニュース
これを読むと、単に「違法ダウンロードを妨害する法律」に対し身勝手な攻撃をしているわけではないことがわかると思います。
著作権法改正案そのものに対し反対しているのではなく、その裏に潜む「基本的人権の侵害やイノベーションの阻害」に対し、反対しているのです。
今回の攻撃のきっかけになった「著作権法改正案」には「違法ダウンロード刑罰化」が含まれています。この改正案の成立に関しては、十分な審議がなされているとは言えず、しかも改正案の条文の書き方が曖昧でいかようにでも解釈できるようになっているなど、いろいろと問題があります。
このあたりの経緯に関しては、先日、ビーカイブさんに寄稿した下記記事に書きましたので、できればそちらをご覧いただきたいと思います。
上記寄稿記事にも書きましたが、改正案の条文が曖昧なことから、捜査機関が自由に裁量できるようになっています。その結果として一般的な日本のインターネット利用者は皆、犯罪捜査の対象になる危険性があります。しかも、捜査の段階では、正規にダウンロードしたものなのか違法にダウンロードしたものなのかがわからないことから、捜査機関はパソコンやスマートフォンなどをいつでも押収可能し、調査することができます。
「#opJapan - Expect US」の中で、『違法ダウンロードに刑事罰を導入する改正著作権法を成立させたことについて、「多数の無実の市民が不当な懲役刑を受け、かつ著作権侵害問題の解決にはほとんどつながらないことを確信している」』の部分は、まさにこのことを指しています。
彼(彼女)らが今回掲げた「正義」には個人的には賛同できる部分があります。だからといって今回の攻撃についてはまったく賛同できるものではありません。
でも、彼(彼女)らも本質的にはサイト攻撃に意味がないことはわかっています。
日本の人々へ。我々はAnonymous。この頃、ウェブサイトの攻撃がしていました。日本の政府がダウンロードを犯罪にしましたから、我々は行動しています。 この出来事から、みんなを目覚めさせたい。
— OpJapan Officialさん (@op_japan) 6月 26, 2012
違法ダウンロード刑事罰を止めさせる方法は一つだけあります! 現実の世界で、日本の人々は抗議するべきです! サイト攻撃ではなくデモで! チラシで! 座り込み抗議でも! 何もしないなら、何もが変わらない! 今すぐインターネットを保護しないと、すべてを失う!
— OpJapan Officialさん (@op_japan) 6月 26, 2012
これらは、「Anonymous」が「#opJapan」用に用意した公式TwitterアカウントOpJapan Official (op_japan)を通じて、不慣れな日本語でツイートしたものです。ほとんどのツイートは英語ですが、時々、このような日本語のツイートが混じります。これらは明らかに日本人に向けたメッセージです。
攻撃が成功し、政府機関をはじめとした多くのサイトがダウンしたからといって、法律が変わることもありませんし、コンテンツ産業サイドの人間や政治家、政府が意見を変えるわけがありません。つまり、攻撃そのものは成功しても、なんら状況は変わりません。そんなことは、彼(彼女)らもわかっている……。
彼(彼女)らは、日本人に提起しています。
「現実の世界で、日本の人々は抗議するべきです! サイト攻撃ではなくデモで! チラシで! 座り込み抗議でも! 何もしないなら、何もが変わらない! 今すぐインターネットを保護しないと、すべてを失う!」
この言葉には少し心を揺さぶられます。
しかし、それでも。
何も行動に移せない。デモもチラシも座り込みも日本では効果がないことを知識として知っているから。何をやっても無駄だと思っているから。
何もできない。できるのはこうしてブログでまとまりのない記事を書くことくらい。
ヘタレすぎる。